はるけき きみに ー 彼方より -
「申し訳ない気がするわ」
京都へ向かう道中で、
「予想していたけど、こうまでとはね」
道行く人がマシューを見て目を丸めているのだ。
外国船が立ち寄る堺と違って、内陸の人はその容姿が珍しいらしい。
「いいさ、こうなったら見せものにでもなんでもなってやるよ」
「見せものって、そんなこと」
「こっちはこっちで日本の街道を、京の街をじっくり見せてもらうとするさ」
気にも留めず愉快げに笑っている。
だが紫音は違うものも感じていた。
マシューに対する女たちの視線だ。
彼女らはえっと驚いて二度見する。
やがてその頬があかく染まってくる。
精悍でありながら甘さを秘めた眼差し、すっと通った鼻梁、引き締まった唇。
見慣れていたそれを改めて思った。
だが当の本人はそんなことには無頓着だった。
マシューが見ているのは胡散臭げな旅人であり、刀の鯉口に手をやるかに見える侍の動きだ。
そうしてさりげなく紫音を守っていた。
◆ ◆ ◆
京都へ向かう道中で、
「予想していたけど、こうまでとはね」
道行く人がマシューを見て目を丸めているのだ。
外国船が立ち寄る堺と違って、内陸の人はその容姿が珍しいらしい。
「いいさ、こうなったら見せものにでもなんでもなってやるよ」
「見せものって、そんなこと」
「こっちはこっちで日本の街道を、京の街をじっくり見せてもらうとするさ」
気にも留めず愉快げに笑っている。
だが紫音は違うものも感じていた。
マシューに対する女たちの視線だ。
彼女らはえっと驚いて二度見する。
やがてその頬があかく染まってくる。
精悍でありながら甘さを秘めた眼差し、すっと通った鼻梁、引き締まった唇。
見慣れていたそれを改めて思った。
だが当の本人はそんなことには無頓着だった。
マシューが見ているのは胡散臭げな旅人であり、刀の鯉口に手をやるかに見える侍の動きだ。
そうしてさりげなく紫音を守っていた。
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