はるけき きみに ー 彼方より -
宴の席に丹波がいた。
「お前、いったいどこへ行っていたのだ」
丹波は今しがた役所から帰ってきたところだった。
座敷に妻の姿がない、探そうとしていたのだと言った。
香苗を見つけて、また上機嫌で歓談していた。
「それだけならまだよかったのでございます」
宋念は続けた。
「香苗さまの苦悩は、そこから耐え難いものになっていったのです」
と言ってまた紫音を見た。
この話を続けるべきか、打ち切るのか、彼の目が迷っている。
「つづけて、ください」
紫音がうながした。
◆ ◆ ◆
「お前、いったいどこへ行っていたのだ」
丹波は今しがた役所から帰ってきたところだった。
座敷に妻の姿がない、探そうとしていたのだと言った。
香苗を見つけて、また上機嫌で歓談していた。
「それだけならまだよかったのでございます」
宋念は続けた。
「香苗さまの苦悩は、そこから耐え難いものになっていったのです」
と言ってまた紫音を見た。
この話を続けるべきか、打ち切るのか、彼の目が迷っている。
「つづけて、ください」
紫音がうながした。
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