はるけき きみに  ー 彼方より -
「・・だとしたら、俺らは何をもらうんだ?」
 サジットがマシューに聞く。
「一番大事なものだ、銃だよ。それも旧式の奴じゃない、最新式の威力が増した価値のあるものだ。しかも大量にだ」

「そ、そんなこと。最新式の銃は貴重だ。船長がやすやすと手放すかな」
「だからそこを要求するんだよ。大丈夫だ、船長の泣きどころを掴んでいるからな」

 二人は船長の前でどうどうとしゃべっていた。

 そのクレイプは怒るでもなくニコニコとわらっている。

「法外な要求をしてやるよ、このバカ船長に」
「よし。だったら試しに船にあるだけの銃をよこせと言ってみるか」
 二人は愉快そうに笑う。

 それを見てクレイプも楽しそうだった。
 満面の笑みでウンウンとうなずいていた。

 嚙み合わないそのやり取りは、マシューらが話している言語にあった。

 二人は途中から日本語でしゃべっていたのだ。
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