クールなエリートSPは極悪か溺甘か ~買われた新妻は偽りの旦那様の執愛から逃れられない~
「嫌なら結構です!」
「嫌とは言ってないだろう。 ベッドはキングサイズを発注するから、怒るな」

そんな贅沢な、と思ったけれど、ここでそれを言うとまたからかわれそうなので黙る。
くっついて寝たいのかと言われたら困るもの。ほんと、人をおちょくるのも大概にしてほしい。

…っていうか、ついかっとなって話を進めちゃったけど、一緒に寝ることになったのよね。
偽装夫婦がそこまでする必要ある?
来客があったとしても、寝室まで覗くことは普通ないだろうに。瑛輔ならそう言うと思った。

おかしなことになったわ。

「部屋はどうだ。気に入ったか」
「うん。 明るいし、設備も十分すぎるくらいよ」

でも寝室をひとつにするなら、やっぱりこの部屋は広すぎるかもしれない。

「そうか、ならここで契約しよう」

…まあ、瑛輔も満足そうだし、いっか。

後からどちらかが寝室を分けたくなるかもしれないから、布団は運んでおこう。

「官舎とは違うから自由も効く。凜の好きなように過ごしてくれ」
「分かった」
「週末、家具を見に行こう。俺はこだわりはないが、こういうのは女性の意見を聞くべきだろう」

瑛輔は真面目な顔で言う。

結婚は措置だとか言われた時はなんて冷たい男だと落ち込んだけど、私を蔑ろにしようというわけではないのかもしれない。

彼の誘いに、私は了承の返事をした。

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