クールなエリートSPは極悪か溺甘か ~買われた新妻は偽りの旦那様の執愛から逃れられない~
「初めまして。大慈瑛輔と言います。 まずは急な訪問となってしまったことをお詫びさせてください」

低くよく通る声で瑛輔は言う。頭を下げる彼を両親は慌てて制した。

「とんでもない。むしろ、忙しい中わざわざ来てくれてありがとう。妻はどうも心配性でね、私がいくら大丈夫と言っても、直接会うまではと聞かなくて」
「お父さん、やめてくださいな。彼に失礼でしょう」
「いえ。ご挨拶が遅くなったこと、お母様には大変心配をかけてしまったと思います」

背筋を伸ばし、瑛輔は真っ直ぐに両親を見つめている。

「私の全てを懸けて、凜さんが安心して過ごせるよう努めます。娘さんをお守りする役目を私に任せて頂けないでしょうか」

ここだけ聞くと、どうにも夫婦というよりボディーガードと保護対象みたいだ。
だけどどうしてだろう。彼が私を守ろうとしてくれているのが嬉しい。
夫としてではなくても、大切にされているんじゃないかと錯覚してしまう。

少しだけ、頬も熱い。

「もちろんです。娘を、どうかよろしくお願いします。あなたならきっと、凜を幸せにしてくれると確信できて安心したわ。 瑛輔くん」

母が静かに言った。
私の胸は奥でツキンと痛む。この結婚に愛は芽生えない。愛し愛される夫婦としての、母が思うような幸せはやってこないのだ。
それでも私は、彼との結婚に幸せを描かなければ。

「はい。お約束します」
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