クールなエリートSPは極悪か溺甘か ~買われた新妻は偽りの旦那様の執愛から逃れられない~
晃太が言っているのは、婚約者がいながら浮気三昧だった真司さんのことだ。
浮気に気づいて一瞬でも落ち込んだ私の姿を晃太は見ている。

たぶん瑛輔は、浮気はしないだろう。私と婚姻関係であるうちは、両家の面目もあるしそれを立ててくれるはず。その辺の分別はある人だと思っている。
ていうか、真司さんが常識から外れすぎているだけだ。

目の前で浮気はしないと言い切った瑛輔の言葉が、晃太にも伝わるといいんだけど……

「ふん。 どうだか」

晃太は不服そうにリビングの方へ行ってしまう。

ダメだ。やっぱり晃太に認めてもらうには時間が必要ね。
でも、降りてきて顔を見せただけで良い方かも。
部屋にこもりっきりになることも無さそうだし、いずれは瑛輔とも普通に話せるようになるかもしれない。
たしか彼にはお兄さんがいるはずだから、男兄弟との関わり方は私なんかより上手いんじゃないかな。

「瑛輔くん、すまないね。晃太にはよく言って聞かせます」
「いえいえ、いいんですよ。私もあのくらいの歳の頃は、祖父や両親、兄にも苦労をかけました。接し方が分からなくなるんですよね」
「そう言ってくれるとありがたいよ」

無愛想な感じは、今もじゃない?
私の前だと余計に。

家族の手前、心の中だけで思っておく。

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