クールなエリートSPは極悪か溺甘か ~買われた新妻は偽りの旦那様の執愛から逃れられない~
それから三日、俺は凜の実家へ通った。
晃太くんの対応には呆れが全面に溢れ出るようになった。
三日目、とうとう俺は強硬手段に出た。
出てくれるのが晃太くんだったために漬け込むみたいでできれば使いたくない手だったが、文月姉弟の結託の強固さを前には他に思いつかない。
「頼む。凜に会わせてほしい」
頭を下げ、晃太くんに断られ、俺は上がり框に膝をついた。
両手を八の字に形作りさらに姿勢を低くしようとする俺に、晃太くんが慌てた声を出す。
「や、やめろ! 分かった、分かったから顔上げろ!あんた、そこまでするくせになんで姉ちゃんと喧嘩なんか……」
「俺が不器用すぎるせいなんだ。凜は何も悪くない」
「そんなの当たり前だ。100%あんたが悪いに決まってる。 はぁ。仲直りできなくても知らないからな」
「ありがとう! 晃太くん!」
晃太くんは不服そうにしながらも、俺を二階の部屋へ案内してくれた。
晃太くんが凜の部屋をノックする。俺は心臓が飛び出そうなほど緊張しながら立っていた。
「姉ちゃん、俺だけど。 …ごめん、俺じゃこの人止められなかった。しつこすぎるよ、執着気質だ」
なかなかの言われようだがこの際構わない。晃太くんの呼び掛けに、凜が扉の前に立つ気配がする。
控えめに開いたドアから凜が顔を覗かせた。