クールなエリートSPは極悪か溺甘か ~買われた新妻は偽りの旦那様の執愛から逃れられない~
「ごめん、晃太。嫌な役回りさせちゃって」
「いいよ。姉ちゃんのためだもん。 なんか可哀想だから、許してあげてもいいかもよ」

ともかく3日ぶりの凜に俺は若干涙が出そうだった。
このまま一生会えないかもしれないと弱気な俺は本気で思った。
晃太くんが階段を降りていき、俺は凜と向き合う。

「凜。会ってくれてありがとう。どうしても、おまえと話がしたい」
「…入って。ここまで来て追い出したら、晃太が気にするもの」
「ああ、…お邪魔します」

ガチガチの俺を見て、凜がふっと声を上げて笑った。
眉を下げて、申し訳なさそうにこちらを見る。

「ごめん。 瑛輔が、ものすごく緊張しているみたいだから、珍しくて。私の前ではいつも余裕そうなんだもの」

そうか。凜にはそう映っていたのか。格好悪いところを見せたくなくて意識的にそう振舞っていたのもあるが、その結果が今なのかもしれない。
いちばん大切な人を悲しませては、どんなカッコつけもなんの意味もないというのに。

俺はガバリと頭を下げた。凜が驚いているのが空気で伝わる。

「すまなかった。あんな言い方をするべきじゃなかった。…凜に魅力を感じないとか女として見れないとか、そんな訳ない…むしろ逆…いや、これは俺の問題なんだ」
「瑛輔……頭上げて。座ろう」

焦った声で促され、俺は腰を下ろした。正座で向かい合い凜を見つめる。

「おまえを一度でも抱いてしまったら、俺はもう引けなくなる。凜を大事にしたい。妻としての義務感だけで俺に身を捧げようなんて思わないでほしい。そういうことは、凜の心も体も全てが俺を受け入れてもいいと思える時まで待つつもりだった」
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