クールなエリートSPは極悪か溺甘か ~買われた新妻は偽りの旦那様の執愛から逃れられない~
瑛輔は警察官の儀礼服、私はカラードレスにお色直しもして、披露宴は盛り上がった。
真紀や佐々木も来てくれたけれど、仕事関係の挨拶が多く一言交わしただけだ。佐々木は涙目で、真紀がそれを揶揄うように笑っていたのがいつもの風景で心が和んだ。
「大慈、おめでとう!」
瑛輔の背をバシンと叩きながら満面の笑みでお祝いしてくれるのは戸田杏子さん。瑛輔の警察学校時代の同期の方だそうだ。
私が盛大に勘違いした時瑛輔と一緒にいたのが彼女。綺麗な金髪に溌剌とした笑顔がカッコイイ。
「奥様はじめまして! 戸田杏子です。この間は私のせいで辛い思いをさせてしまったみたいで、ごめんなさい!」
「いえいえ! 同期の方とは知らず、私が先走って意地を張って喧嘩を……」
「大慈が腰抜けなのも悪いと思うの! こんなんじゃ、奥様が不安になるのも当たり前だ」
瑛輔に聞いてはいたけれど、実際にお会いするとなんというか、予想以上に……
「うるさいぞ、戸田」
瑛輔、どストレートに言った…
「ねぇ、今度うちに遊びに来ない? アメリカ旅行のついでに! 私の夫を紹介して、観光案内をするから!」
戸田さんは瑛輔を無視だ。私は驚きながらも笑って答える。
「アメリカ、行ってみたいです!」
「そうでしょう〜! ああ、楽しみが増えた!うちはいつでも大歓迎だから!」
私の両手をとりぶんぶんと握手して、戸田さんは席に戻っていった。
「すまん…あいつは初対面でも距離が近すぎる」
「楽しい方なのね。アメリカ、本当に行けるかな」
「行きたい?」
「一度、父の仕事に着いて行ったんだけど、ゆっくり観光はしたことがないから。戸田さんにも誘ってもらったしね」
「戸田の言うことは聞かなくてもいいが…凜が行きたいところはどこへでも連れていってやる。観光地を全部回ってもいいし、周辺国を旅するのもいい」
「贅沢ね。素敵」
瑛輔は得意げな顔をする。休みを取って、ふたりでのんびり旅行。それって、ハネムーンってことになるのかな。瑛輔はそのつもりで言ったのだろうか。
普通の結婚で結ばれたわけではないけれど、そういうのはあってもいいわよね。
行きたいところに行って、食べたいものを食べて、色んな景色を見て……瑛輔とならどれも楽しそう。
彼を思うと胸が暖かくなる。隣にいるのに、一緒にいたくて堪らないなんて変だわ。