クールなエリートSPは極悪か溺甘か ~買われた新妻は偽りの旦那様の執愛から逃れられない~

家に戻るとどっと疲れを感じる。落ち着ける空間に帰ってきて、今日は朝から活動していたことを思い出した。

疲労感はあるけれど、すぐに眠れる気分でもないのでお茶を出す。ダイニングに腰を下ろし、ようやく一息ついた。

「じいちゃんはさ……ずっと、俺と兄貴の面倒みてくれてたんだ。両親が仕事人間で家にほとんどいない人たちだったから、俺はじいちゃんの背中見て警察官の仕事も知った」

瑛輔は静かに語る。
お祖父様への思い。瑛輔にとってお祖父様は、親のように愛情を与えてくれた家族なのだろう。

「UTUMI警備保障を継ぐと決めたのも、病気を抱えながら気丈に社長業やってるのを近くで見てきたからなんだ」
「そうだったのね」
「じいちゃんがいなくなる覚悟は今まで何度もしてるはずなのに、余裕なくして情けないな、俺。最近は調子よさそうにしていたし、気が抜けてた」

自嘲気味に笑う瑛輔。私は胸が痛くなった。この人は、今までひとりでお祖父様がいなくなる恐怖に耐えてきたんだ。
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