クールなエリートSPは極悪か溺甘か ~買われた新妻は偽りの旦那様の執愛から逃れられない~
水谷真司は下卑た笑みを浮かべ、距離がつまる。水谷が私の腕を掴んだ瞬間、佐々木が思い切り私を突き飛ばした。
地面に倒れ込み顔を上げると、佐々木が水谷と組み合っている。
水谷の手には、鋭く光る刃物のようなもの。
「佐々木! 無理よ、離れて!」
「い、いから、逃げろ文月!」
もう警察を待っている余裕はない。佐々木の限界が来る前に警備員に…
「このっ、どっから来るんだよその力…!」
「退け! 僕と凜ちゃんの邪魔をするやつは!」
佐々木は水谷が標的を私に変えた反動で壁に体を打ち付けた。
水谷は体勢を崩しながらも正面から向かってくる。右手に持っているのはペティーナイフだった。
無理だ……瑛輔、ごめんなさい――
顔を伏せ、目をつぶり諦めかけた時。水谷が悲鳴を上げ、ドサッと人が倒れ込む音が聞こえた。
「ぐあっ!?」
ハッとして目を開け、飛び込んできた光景。水谷を地面に押さえつける真っ黒なスーツの背中は見覚えがありすぎる。
「瑛輔…!」
水谷が持っていたはずのナイフは地面に転がっていた。それを瑛輔が足で蹴り飛ばす。
「遅くなって悪い。2人とも怪我はないか」
不覚にも涙が出そうだった。警察よりも到着が早いとは何故なのか、考える前に気持ちが溢れる。瑛輔に助けられた。2度も。
「お、俺は大丈夫です」
「私も、大丈夫よ。怪我はしてないわ」
「そうか。間もなく警察も来る。それまでそこ、動くなよ」
「分かった」
佐々木が私の元にやってきて、手を差し出す。
服を払うと、擦りむいた手のひらがピリリと痛んだ。ズボンは穴があいてしまっている。
地面に倒れ込み顔を上げると、佐々木が水谷と組み合っている。
水谷の手には、鋭く光る刃物のようなもの。
「佐々木! 無理よ、離れて!」
「い、いから、逃げろ文月!」
もう警察を待っている余裕はない。佐々木の限界が来る前に警備員に…
「このっ、どっから来るんだよその力…!」
「退け! 僕と凜ちゃんの邪魔をするやつは!」
佐々木は水谷が標的を私に変えた反動で壁に体を打ち付けた。
水谷は体勢を崩しながらも正面から向かってくる。右手に持っているのはペティーナイフだった。
無理だ……瑛輔、ごめんなさい――
顔を伏せ、目をつぶり諦めかけた時。水谷が悲鳴を上げ、ドサッと人が倒れ込む音が聞こえた。
「ぐあっ!?」
ハッとして目を開け、飛び込んできた光景。水谷を地面に押さえつける真っ黒なスーツの背中は見覚えがありすぎる。
「瑛輔…!」
水谷が持っていたはずのナイフは地面に転がっていた。それを瑛輔が足で蹴り飛ばす。
「遅くなって悪い。2人とも怪我はないか」
不覚にも涙が出そうだった。警察よりも到着が早いとは何故なのか、考える前に気持ちが溢れる。瑛輔に助けられた。2度も。
「お、俺は大丈夫です」
「私も、大丈夫よ。怪我はしてないわ」
「そうか。間もなく警察も来る。それまでそこ、動くなよ」
「分かった」
佐々木が私の元にやってきて、手を差し出す。
服を払うと、擦りむいた手のひらがピリリと痛んだ。ズボンは穴があいてしまっている。