きみは、俺のただひとり ~神様からのギフト~
 いつだったか、どうしてそんな話しになったのか、そこは憶えていないけれど。


「リィの手は特別だね。
 リィに手を握って貰ったり、掌で触れられると、痛いのも苦しいのも、消えてしまうんだ。
 デイヴが怪我を治してくれて、ずっとリィが手を握ってくれるなら、僕はどんなことも我慢出来る」


 ジェレミーがそう言ったから、リデルは看護士になろうと決めた。
 表向きは、父デイヴが治療士だから、と言うことにした。
 ジェレミー本人にも、そう言った。
 恥ずかしかったからだ。


「わたし、看護士になるって決めたよ」

「いいね、イングラム騎士団で雇うよ。
 リィがいつも見えるところに居てくれたら、僕も安心だから」


 ジェレミーが頭をなでながら、優しく笑ってくれた。
 幼い頃はリデルの方が大きかったのに、10代に入ってから彼はすくすくと身長を伸ばして、
「ちっちゃくなったなぁ」とリデルをからかった。


 だが、何も知らず、何も気付かない振りをしても許された幸せな時は、終わりを迎えた。


 
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