わたしを「殺した」のは、鬼でした
 困っていると、小さなお団子が三つ並んだ串を、一口でぺろりと平らげた千早様が怪訝そうな顔をした。

「どうした?」
「その……、全部は、多いかもしれません」
「そうか? 牡丹ならこの三倍はぺろりと平らげるが……お前は小食だな」

 では半分食べろ、と千早様が残り三本のお団子をお皿から取った。
 四本なら食べられそうだと、一本を口に運ぶ。
 香ばしく焼かれたお団子は甘じょっぱくてとても美味しかった。
 こんな贅沢をしていいのだろうかと思いつつも、手が止まらない。

「気に入ったようだな」
「……す、すみません。夢中になってしまいました」
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