結婚不適合なふたりが夫婦になったら――女嫌いパイロットが鉄壁妻に激甘に!?
札幌に着いてすぐ、優成は羽田行きの飛行機へ飛び乗る。両親の離婚に傷ついた心は、大きな目標を見つけたことで不思議と回復していた。
あれからもう二十年以上の月日が流れた。夢を叶え、憧れを抱いた機長と同じ場所にいる。
制服を着るたびに気持ちが引き締まるのは、そのときのことを思い出すから。乗員乗客全員を安全に目的地へ連れていかなければならないという責任感。自意識過剰かもしれないが、空の安全は自分が守るという使命感があるからだ。
改めて背筋を伸ばし、ブリーフィングを行うオフィスを目指す。ドアを開けると珍しい人物が声をかけてきた。
「津城、久しぶりだな」
「本郷さん、おはようございます。お元気でしたか?」
「おかげさまでね」
本郷翔、ベテランパイロットである。
引きしまった体躯は中学高校と陸上で鍛えた賜物だと噂に聞く。切れ長の目に鼻筋の通った端整な顔立ちは、四十歳の今も空港内で目を引く存在だ。
既婚者だが、独身時代には社内はもちろん社外の女性や搭乗客からも熱い視線を送られていた。有能なGS――グランドスタッフだった美(み)羽(わ)との結婚は、それこそ空港中を沸かせたものだ。妻の美羽も現在はGSの教育係である。
あれからもう二十年以上の月日が流れた。夢を叶え、憧れを抱いた機長と同じ場所にいる。
制服を着るたびに気持ちが引き締まるのは、そのときのことを思い出すから。乗員乗客全員を安全に目的地へ連れていかなければならないという責任感。自意識過剰かもしれないが、空の安全は自分が守るという使命感があるからだ。
改めて背筋を伸ばし、ブリーフィングを行うオフィスを目指す。ドアを開けると珍しい人物が声をかけてきた。
「津城、久しぶりだな」
「本郷さん、おはようございます。お元気でしたか?」
「おかげさまでね」
本郷翔、ベテランパイロットである。
引きしまった体躯は中学高校と陸上で鍛えた賜物だと噂に聞く。切れ長の目に鼻筋の通った端整な顔立ちは、四十歳の今も空港内で目を引く存在だ。
既婚者だが、独身時代には社内はもちろん社外の女性や搭乗客からも熱い視線を送られていた。有能なGS――グランドスタッフだった美(み)羽(わ)との結婚は、それこそ空港中を沸かせたものだ。妻の美羽も現在はGSの教育係である。