結婚不適合なふたりが夫婦になったら――女嫌いパイロットが鉄壁妻に激甘に!?
「えっ、そんな。勝手に楽しんでいるだけですから。なので気にしないでください」
箸を置き、史花が胸の前で両手を振る。無邪気な反応が、優成の目にやけに新鮮に映った。
女性と付き合った経験ならある。だがそれは断り切れなかったり、上司からの紹介を無下にできなかったりで、しぶしぶ交際した過去だ。
相手に失礼かもしれないが、恋だとか愛だとか、そういった感情の動きはいっさいなかった。
恋多き女と呼ばれていた母親を近くで見ていたからだろうか。自分はそうなるまいと律し、自然と恋愛を遠ざけていた。
惰性で付き合っていたため、完全に受け身。自分から連絡したことも、デートに誘ったこともない。
そうしているうちに相手の女性から離れていくのが常だった。
(そんな俺が結婚とはね。未だに信じられない展開だ)
感慨に耽りながらハムエッグをトーストに乗せて頬張る。
結婚して一カ月あまり。初めて妻と食卓を囲んでいる。
思えば、式はおろかお祝いの席すら設けていない。
これでは本郷の言う責任は、なにひとつ果たしていないだろう。
「史花」
箸を置き、史花が胸の前で両手を振る。無邪気な反応が、優成の目にやけに新鮮に映った。
女性と付き合った経験ならある。だがそれは断り切れなかったり、上司からの紹介を無下にできなかったりで、しぶしぶ交際した過去だ。
相手に失礼かもしれないが、恋だとか愛だとか、そういった感情の動きはいっさいなかった。
恋多き女と呼ばれていた母親を近くで見ていたからだろうか。自分はそうなるまいと律し、自然と恋愛を遠ざけていた。
惰性で付き合っていたため、完全に受け身。自分から連絡したことも、デートに誘ったこともない。
そうしているうちに相手の女性から離れていくのが常だった。
(そんな俺が結婚とはね。未だに信じられない展開だ)
感慨に耽りながらハムエッグをトーストに乗せて頬張る。
結婚して一カ月あまり。初めて妻と食卓を囲んでいる。
思えば、式はおろかお祝いの席すら設けていない。
これでは本郷の言う責任は、なにひとつ果たしていないだろう。
「史花」