結婚不適合なふたりが夫婦になったら――女嫌いパイロットが鉄壁妻に激甘に!?
 立ち止まった優成が手を伸ばしてきた。


「……え?」
「手、繋ごうか。夫婦なら、こういうときそうするものだろう?」


 彼の言葉にドキッとした。思わず彼の顔と手を交互に見る。

(手を……?)

 戸惑っているうちに、観光客が後ろから「すみませーん」と言いつつ史花たちを追い越していく。


「史花」
「は、はい」


 名前を呼ばれ、そっと伸ばした手を優成に掴まれた。


「行こう」


 彼に小さく頷き、並んで階段を下りていく。

(優成さんの手、大きい)

男性と手を繋ぐのは初めてではないのに、気温が徐々に下がっていくのに反比例して鼓動は高まっていく。水たまりや急な階段で強く握られるたびに、心臓が飛び跳ねた。
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