結婚不適合なふたりが夫婦になったら――女嫌いパイロットが鉄壁妻に激甘に!?
「ディスパッチャーの職業病だな」
「そうかもしれません」


 クスッと笑った優成に笑い返す。
 いつの間にか自然な笑顔が出せている自分に気づいてうれしくなる。〝夫婦円満のコツ〟に従って実行した初デートは、大成功といっていいだろう。ふたりで初めての経験をするのは、距離を縮めるのにはもってこいだとわかった。


「父にもお気に入りの景色を聞いておけばよかった」
「幼い頃に亡くなったっていうお父さん?」
「はい。じつはパイロットだったんです」
「そうだったのか」


 優成は目を丸くした。


「父もビーナスベルトを見たのかな……」
「見たんじゃないかな」


 きっと優成と同じように、お気に入りの景色だっただろう。そう思うとなんだか胸があたたかくなった。


「優成さん、今日はありがとうございます」
「突然なに」
「〝円満〟に向かって順調に進めているのは優成さんのおかげです」
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