結婚不適合なふたりが夫婦になったら――女嫌いパイロットが鉄壁妻に激甘に!?
 今、感じたままの気持ちを口にする。
優成が一緒に実践しようと言ってくれなかったら、きっとこうはいかなかった。史花ひとりで空回りして、本物の夫婦から遠ざかるいっぽうだっただろう。


「俺は史花の提案に乗っただけだ」
「優成さんが乗ってくれなかったら、こうしてデートもできませんでしたから」


優成にネットリサーチがバレたときは恥ずかしかったが、あのきっかけがなかったら今もひとりで悩んで迷路に迷い込んでいたに違いない。
 優成はふっと笑みを浮かべ、史花の手を引いた。


「この少し先に縁結び観音がある」
「……縁結び?」


 鍾乳洞の奥にそんなものがある驚きより先に、優成が史花との縁をしっかり結びたいと願っているように感じてドキッとした。


「ああ。お参りしてから戻ろう」
「はい」


 優成に深い意味はないのかもしれない。ここにいる神様にお参りしてから帰ろうというだけなのかもしれないと、浮かれた自分を否定しながら足を進める。
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