結婚不適合なふたりが夫婦になったら――女嫌いパイロットが鉄壁妻に激甘に!?
 しばらく行くと、石に囲まれ鎮座する観音があった。小さいのに厳粛な雰囲気が漂う。
 階段を上がり、優成と並んで立った。
揃って手を合わせて祈りを捧げる。

(優成さんとの縁を大事にしたいので、どうか見守ってください)

 心の中でゆっくり念じて目を開けると、優成もちょうど手を下ろしたところだった。


「これでまた一歩、本物の夫婦に近づけましたよね」


 そうであってほしいと願いながら、優成にめいっぱい微笑みかける。


「……ああ」


 優成は一瞬瞳を揺らし、一拍遅れて頷いた。

 観音に祈っただけで夫婦になれるわけがないと呆れられてしまったか。たしかに史花は信仰心が厚いわけではないから、こういうときばかり神様に頼るのはおかしいかもしれない。


「祈るだけでなれるはずないですね」


 慌てて打ち消したが。
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