結婚不適合なふたりが夫婦になったら――女嫌いパイロットが鉄壁妻に激甘に!?
夜勤のスタッフとの引継ぎを終え、休み明けの業務がスタートする。史花の運行支援を担当する未希とモニターがたくさん並ぶデスクに着き、早速フライトプランの作成に入った。
「史花さん、今日一日よろしくお願いします」
「こちらこそフォローをよろしくお願いしますね、未希ちゃん」
「任せてください」
片手でガッツポーズをする未希に頷き、モニターに天気図を表示させる。
優成の声掛けで実践している〝夫婦円満のコツ〟は、少しずつとはいえ着実にふたりの距離を縮めている。
会話でのコミュニケーションはだいぶとれるようになったし、昨日は初めてデートもした。それも彼にとって思い出深い場所に。その特別感が史花に自信をつけさせる。
沈黙を恐れる必要はないと言われたため、あのメモは潔く捨てた。
帰りの車中で当然ながら沈黙が訪れてそわそわしたが、思っていた以上に苦ではなく、むしろ心地よささえ感じた。きっと優成が『気負うな』と言ってくれたおかげだろう。正直に彼に話して、悩みを共有してもらって正解だった。
『俺は、史花との沈黙は苦痛じゃないから』