結婚不適合なふたりが夫婦になったら――女嫌いパイロットが鉄壁妻に激甘に!?
「申し訳ありません!」


 受話器を持ちながらその場で頭を下げる。


「二〇〇〇ポンド追加したプランをすぐに送信しなおします」


 電話を切り、即座に燃料を修正、送信ボタンを押した。

(こんな初歩的なミスを犯すなんて……)

 キャプテンリクエストは珍しいことではないし、不安定な天候の読み違いなら何度かあるが、ダイバート絡みで搭載燃料を誤るなんてこれまで一度もなかった。
当然ながら車と違って航空機は一度離陸してからは停止できない。つまり目的地に到着するまでに燃料が足りなかったでは済まないのだ。


「史花さん、すみません。私のチェックミスです」
「ううん、私の責任よ」


 運行支援者である未希のサポートによる二重チェックはもちろん大事だが、ディスパッチャーの署名欄に史花のデジタルサインがある以上、史花が責任を負わなければならない。

 神経を研ぎ澄ませて集中しなければならないときに、優成との結婚生活をあれこれ考えながらフライトプランを作成していたせいだ。浮かれすぎていた。
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