結婚不適合なふたりが夫婦になったら――女嫌いパイロットが鉄壁妻に激甘に!?
「ふみちゃん、少し気分転換してきたらどう?」


 やり取りを遠くから見守っていたのだろう。木原が提案してきた。


「ですが……」


 航空機の発着は待ってはくれない。


「戻ってくるまでの間、私がやっておくから。ほら、立って立って」


 木原が史花の椅子を引きながらくるりと反転させる。


「これは上司命令。行っておいで」


 優しくそう言われれば首を横には振れない。頭を冷やしてくるのもいいだろう。
おずおずと立ち上がり、頭を下げた。


「すみません。では少しだけよろしくお願いします。未希ちゃんもごめんね」
「いえ、私こそです」


 ふたりに任せ、史花はいったんその場を離れた。
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