結婚不適合なふたりが夫婦になったら――女嫌いパイロットが鉄壁妻に激甘に!?
(なにか飲んで落ち着こう)

 軽く深呼吸をしてフライトコントロールセンターを出る。展望デッキに向かう途中にある自動販売機を目指していると、あまり顔を合わせたくない人物が反対側から来るのが見えた。CAの環だ。

 親しく会話をするような仲ではないため目線を下げ、通路の端を歩く。すれ違いざまに会釈をすると、彼女がちょうど史花の真横で足を止めた。


「どこか体調でも悪いの?」
「……えっ?」


 声を掛けられるとは思っていなかったため声がかすれる。体を気遣うような言葉だから尚更だ。

(もしかしたらさっきのミスで、顔から血の気が失せているのかな……)

 立ち止まって環と向かい合った。


「いえ、特にどこも悪くはありません。お気遣いありがとうございます」


 頬に手をあてながら頭を下げる。


「ううん、いいのよ。ずいぶんと初歩的なミスを犯すから、どこか悪いのかと思っただけだから」
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