結婚不適合なふたりが夫婦になったら――女嫌いパイロットが鉄壁妻に激甘に!?
即答しつつ目が泳ぐ。結婚はしているが、実情が伴っていないせいだ。
 環がそれを敏感に察知していたらどうしようと気が気でない。


「私、津城さんがあなたを選んだのが未だに信じられないの」


 探るように強い眼差しで見つめられ、堪えきれず目を逸らした。
 結婚当初に比べれば優成との距離は縮まったが、夫婦だと胸を張る自信はまだない。だから環の揺さぶりに簡単に屈してしまうのだ。


「なにか裏があるんでしょう?」


 環が疑いの眼差しを史花に向けたそのとき。


「裏ってなに? なんの話?」


 通りがかった白石が声をかけてきた。チャラいと噂のコーパイ、環の元彼である。


「あ、いえ……」
「白石さんには関係のない話です」


 曖昧に濁す史花と対照的に、環は白石をきっぱりと跳ねのけた。
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