結婚不適合なふたりが夫婦になったら――女嫌いパイロットが鉄壁妻に激甘に!?
(しっかりしなきゃいけないのに、私の失敗で優成さんにまで迷惑をかけたら……)

 そう考えると怖くなる。

 自動販売機の前に到着すると、優成はスマートフォンをかざした。


「俺はブラックだけど、史花はなんにする?」
「あ、ではあとでお金を」
「そんなのいいから」
「では……冷たいお茶で」


 ふっと笑う彼に遠慮なくお願いする。優成は出てきたお茶のペットボトルを史花に差し出してきた。


「ありがとうございます」
「なにがあった?」
「はい?」
「休憩時間でもないのに、史花がこんなところにいるから。浮かない顔もしてる」


 鋭い観察眼に驚くと同時に、些細な変化に気づいてもらえたうれしさもあった。


「白石がなにか?」
「いえ、それはないです」


 環の顔も浮かんだが、その話は避けたい。
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