結婚不適合なふたりが夫婦になったら――女嫌いパイロットが鉄壁妻に激甘に!?
 センター長の木原や運行支援者の同僚はもちろん、フライトプランの最終チェックをするキャプテンやコーパイが史花のバックにはついているのだ。

 ディスパッチャーになってからずっと張り詰めていた気持ちが、ふと楽になるのを感じた。

 結婚生活もそう。協力的な優成がいるのに、環の言葉に気持ちが揺らぐなんてどうかしている。史花たちはまだはじまったばかりなのだから。
これまでいかに片肘張っていたのかわかるほど、心も体もふわりと軽くなった。


「そうですね。これからはそうしていこうと思います」


 決意も新たに彼を見上げると、優しい眼差しとぶつかった。
 意図せず見つめ合う格好になり、鼓動が乱れる。
 なぜだろう、こんな場面で、史花はある想いに気づいた。

(私、優成さんが……好き)

 それは不意に自覚した恋心だった。
 仕事のさなか、それも悩みを聞いてもらっている場面で急に溢れてきた感情だった。

 本物の夫婦になろうと協力してきた時間の中で、優成の優しさや気遣いに触れ、少しずつ育まれていたのかもしれない。


「ありがとうございました」
< 179 / 294 >

この作品をシェア

pagetop