結婚不適合なふたりが夫婦になったら――女嫌いパイロットが鉄壁妻に激甘に!?
「史花さんはなににする?」


 喜乃がメニューから顔を上げて笑いかける。


「私は、ホットのキャラメルラテにします」
「あら、いいわね。私もそれにしようかしら」


 喜乃は通りがかった店員に注文を済ませ、息をついた。


「今日のお教室も楽しかったわね」
「はい。かわいらしいアレンジができて満足です」


 完成したアレンジは袋に入れ、空いている椅子にそれぞれ置いてある。

 不規則に通う史花とたまたま一緒になって以降、喜乃は史花と同じ受講スタイルに変更した。事前に史花と連絡を取り合い、同じ受講日にしているのだ。
 通いはじめて一カ月が経った頃、レッスンを終えて駅へ向かう途中、体調を崩して座り込む喜乃に声をかけて介抱したのが仲良くなるきっかけだった。以来、レッスンのあとはこうして喜乃とふたりでお茶をするのがルーティンになっている。

 祖母といってもおかしくないほど歳は離れているが、フラワーアレンジメントという共通の趣味のおかげで今は誰よりも気が合う友人である。

 注文したキャラメルラテで「お疲れさまでした」とお互いを労う。
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