結婚不適合なふたりが夫婦になったら――女嫌いパイロットが鉄壁妻に激甘に!?

祖母の喜乃と三人で食事をしたのが最後だ。結婚の報告も電話だけで済ませたが、久しぶりに会って飲もうと連絡が入った。


「まずは優成の結婚を祝して乾杯ね」


　カウンターに置かれたキールロワイヤルのグラスを手に取る。
　優成は三杯目のジントニックを持ち上げた。


「おめでとう」
「ありがとう」


　グラスを傾け合い、口をつける。


「今夜、奥さんは？　家にひとりにして平気？」
「誘ったのはねえさんだろ？」
「あ、そっか。そうだったわね」


　名都がペロッと舌を出す。


「今夜は夜勤だから、彼女は仕事」


　史花は今日まで夜勤である。


「じゃあ、ゆっくり飲めるわね。それにしても優成が結婚とはね。一生しないのかと思ってた」