結婚不適合なふたりが夫婦になったら――女嫌いパイロットが鉄壁妻に激甘に!?
 「とにかく安全な着陸に向けて気を引きしめていきます」


 赤池は顎を引いて前方を見た。
 いっぽう優成は、機体がまもなく相模湾に差しかかるため管制塔とのコンタクトを開始する。


 「Tokyo control,OAL320,Request descend and maintain flight level 3108(東京コントロール、オーシャンエアライン320便です。フライトレベル31,000フィートへの降下をリクエストします)」
 「OAL320,descend and maintain flight level 320(オーシャンエアライン320便、フライトレベル31,000フィートへの降下を許可します)」
 「Descend and maintain flight level 310,OAL320(フライトレベル31,000への降下の許可、了解しました)」


 相模湾上空を飛行し、房総半島付近にいったんアプローチ。正面に館山市街地が見えはじめた。
 左に大きく旋回し羽田空港に機首を向ける。順調に降下してきた機体は、いよいよ着陸態勢に入っていく。管制官の指示に従い、B滑走路を目前に捕らえた。

 みるみるうちに地面が近づき、機体に軽い衝撃が走る。ブレーキ音を響かせながらスピードを落とし、誘導路を通って滑走路から離れた。

 空港の建物が目に入ると、優成の脳裏にふと史花の顔が浮かんだ。
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