結婚不適合なふたりが夫婦になったら――女嫌いパイロットが鉄壁妻に激甘に!?
不意に聞かれ、自分の左手を見た。たしかにそこに赤池の言うものはない。


「いや、そういうわけじゃないけど」


 結婚することだけに意識が向き、指輪にまで気が回らなかった。今、赤池に言われて初めて気づくという鈍さに自分で驚く。


「奥さんに着けてほしいって言われませんか? 津城さん、女性人気が高いから女避けにもなるし」
「……彼女も着けてない」


 というか、作ってもいないが。


「ええっ!? そうなんですか? 女の人ってそういうの大事にするし、欲しがるじゃないですか」
「そうなのか?」
「そうなのかって! 奥さんからなにも言われないんですか?」
「なにも」


 驚きで目を真ん丸にしながら尋ねる赤池に頷く。史花から指輪に関する話はなにひとつない。これまで気にしている素振りもまったくなかった。が――。

(もしかしたら史花は欲しいと思っているのか……?)

 優成に言えないだけで、本音は違うのだろうか。
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