結婚不適合なふたりが夫婦になったら――女嫌いパイロットが鉄壁妻に激甘に!?
「史花」
「は、はいっ」


 名前を呼んだ途端、背筋をピンと伸ばす彼女の仕草に思わず笑みが零れる。おかげで気持ちが解れた。
 だが、今ここで勢いに乗って想いを打ち明けるわけにはいかない。


「次の休みに付き合ってほしいところがある」
「はい。どこへでもお供します。……ってなんかおかしな言い方ですね。どこへでも連れていってください」


 律義に言いなおし、史花は笑みを浮かべた。
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