結婚不適合なふたりが夫婦になったら――女嫌いパイロットが鉄壁妻に激甘に!?
史花を見て、優成は目を瞬かせた。

(もしかして似合ってなかったかな……)

 地味な自分から脱却しようと、ここ最近は今まで選ばなかったタイプの洋服でも着るようにしているけれど、それが裏目に出たのかもしれない。
 優成が不自然に目を逸らしたのは、きっとそのせいだ。

(残念だけど仕方ないよね)

だからといって着替える時間はないし、申し訳ないけど優成には目を瞑ってもらおう。なにより二度目のデートなのだから楽しみたい。


「行こうか」
「はい」


 玄関に向かう彼を追う。史花が昨日ワンピースと一緒に買ったパンプスに履き替えようとしていると、背を向けたままの優成がぽつりと呟いた。


「似合ってる」
「……え?」
「そのワンピース」


 振り向いた優成が微笑む。ドキッとするほど優しい笑顔だった。
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