結婚不適合なふたりが夫婦になったら――女嫌いパイロットが鉄壁妻に激甘に!?
「すみません、私も着けてあげればよかった」
「それは完成したときの楽しみにとっておくよ」


 優成がふわりと笑う。

(私との指輪の交換が楽しみなの……?)

 いつになく幸せそうな笑顔に戸惑いながら、史花の心も弾む。


「よく似合うじゃないか」
「優成さんも」


 向かいに座る店員が口元に笑みを浮かべて史花たちを見ていたため、ものすごく気恥ずかしい。

(でも、少しでも仲のいい夫婦に見えていたらうれしいな)

 たとえ今は史花の一方通行の恋だとしても、ふたりの目標である本物の夫婦に少しずつ近づいていきたい。そしていつか……。

(優成さんにも好きになってもらえたら……)

 隣を見上げると同時に優成が史花を見たため、不意打ちで目が合う。


「これにしようか」


 優しい笑みに「はい」と頷いた。
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