結婚不適合なふたりが夫婦になったら――女嫌いパイロットが鉄壁妻に激甘に!?
その後、史花たちはサイズを測り、刻印などの打合せをしてLe・Monaをあとにした。仕上がりまではおよそ一カ月かかるという。
(一カ月後には、あの指輪がここに収まるんだ……)
店の前でタクシーを待ちながら左手を眺める。
「なに、どうかした?」
「いざ着けるとなるとうれしいなと思って」
左手を見たまま答える。
「じつは俺も」
(優成さんもうれしいの?)
男の人はそういったものにこだわりはなく、むしろ縛りつけられている感覚を抱くものと思っていたが。史花たちの結婚の経緯を考えると余計に。
「優成さんもそう思ってくれるなんて」
本物の夫婦になるためのコミュニケーションの延長上にある言葉だと頭ではわかっていても、心は勝手に舞い上がる。
「でも、どうしていきなり結婚指輪を?」