結婚不適合なふたりが夫婦になったら――女嫌いパイロットが鉄壁妻に激甘に!?
タクシーが到着したのは史花でも聞いたことのある、有名なフレンチレストラン『クールブロン』だった。
テラコッタカラーの壁にはアンティークレンガがアクセントで配置され、真っ青なドアが人目を引く。美しい外観はおしゃれな街、自由が丘の景色に見事に溶け込んでいた。
優成に手を取られ、タクシーから降り立つ。腰に手を添えられた瞬間、つい体をビクッとしてしまった。さり気ないエスコートをする優成の自然体と比べると恥ずかしい。
ドアを開けると、すぐに黒い蝶ネクタイの男性店員が出迎えた。
「予約した津城です」
「お待ちしておりました。ご案内いたします」
店員は前で揃えていた手を左のほうへ向けた。彼のあとを優成と並んで歩いていく。
壁全体にエイジング加工が施された店内は、木目調のテーブルにビビットなブルーの椅子が目にも鮮やか。格式高い店というよりは、女性たちが好むおしゃれでハイセンスな店である。SNS映えも抜群に違いない。
「こちらでございます」
史花たちが案内されたのは個室だった。