結婚不適合なふたりが夫婦になったら――女嫌いパイロットが鉄壁妻に激甘に!?
 自嘲して笑う優成に必死に訴える。
 決して嘘ではない。優成が本心から言っているように聞こえて動揺しただけだ。それを隠そうと、残りのシャンパンを飲み干す。


「優成さんのお話も聞かせてください。モテたでしょうから、きっとたくさんありますよね」


 これ以上突っ込まれたくないため話を切り替えた。
 本音を言えば、聞きたいような聞きたくないような複雑な心境だ。


「俺は今まで誰かを本気で好きになったことはないから」
「……そうなんですか?」


(女性が嫌いなのは知ってるけど、誰も好きにならなかったなんて)

 母親の影響の強さを改めて思い知る。
 もしも将来、自分に子どもができたら、優成のような辛い思いだけはさせたくない。もちろん彼の母親にも史花には知り得ない事情はあったのだろうが。


「今はもう過去形だけどね」
「過去形?」
「本気で好きになったことはなかった」


真っすぐに史花を見つめる優成の目は、優しいのに真剣なため鼓動が乱れる。
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