結婚不適合なふたりが夫婦になったら――女嫌いパイロットが鉄壁妻に激甘に!?
 (それはどういう意味……? 今は本気で好きな人がいるってこと?)

 言葉を深読みして困惑する。

 (……もしかして私? やだ、そんなはずないじゃない)

 そうならいいのにと願いつつ、違うと即否定する。いきなり喉に乾きを覚え、グラスを手に取ったら空だった。
 慌てて戻す史花を見て、優成がふっと笑みを零す。なんか勘違いしてないか?という笑いだったらカッコ悪い。


 「お待たせいたしました。カニのエフィロシェとセロリ、カリフラワーのムースリーヌ添えです」


 運ばれてきたオードブルの艶やかさに目を瞠る。まるで美しい絵画のよう。
 ちょうどよく間が持って助かった。


 「お飲み物をお持ちしましょうか」


 空のグラスに気づいた店員が尋ねる。


 「はい、お願いします」


 考えるまでもなく史花が即答すると、優成は「赤ワインを」と続けた。
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