結婚不適合なふたりが夫婦になったら――女嫌いパイロットが鉄壁妻に激甘に!?
(本当にそうだったらいいのに。ううん、そうなるように努力しなくちゃ)

 もっと彼を楽しませたい。でもそれにはどうしたらいいだろう。

 悩み、考えながら、無意識に何度もワイングラスに手が伸びる。おかげでメイン料理が運ばれてきたときには、体がふわふわとしていた。まるで綿菓子の上に座っているよう。


「鴨の胸肉のロティでございます。リンゴのキャラメリゼとスパイスと一緒にお楽しみくださいませ」


 彩も鮮やかな肉料理がサーブされた。これもまた、食べるのがもったいないくらいの素敵な盛りつけだ。


「わぁ、かわいい」


 思わず拍手を送りたくなり、音を立てずに手を叩いた。お酒が史花のテンションを高くする。心なしか顔が火照っているから、きっと頬は赤いに違いない。


「おいしそうですね、優成さん」
「ああ」
「写真撮っておこうかな。あ、でもSNSとかやってないから……」
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