結婚不適合なふたりが夫婦になったら――女嫌いパイロットが鉄壁妻に激甘に!?
 頭が前にかくんと倒れそうになったそのとき、優成が史花の肩を引き寄せる。それに抗うことなく彼に体を預けた。
 優成のもう片方の手が史花の右手を取り、指を絡ませる。


「俺もそうしたいと思ったよ」


 薄らとある意識が優成の言葉を聞きつけた。それも信じられないような言葉だ。

(優成さんも私と手を繋ぎたかったの? 本当に?)

 それともそれはアルコールによる幻聴なのか。


「史花」


 とても優しい声色で名前を呼ばれ、頭頂部に彼の唇を感じた次の瞬間、史花の意識は途切れた。
< 227 / 294 >

この作品をシェア

pagetop