結婚不適合なふたりが夫婦になったら――女嫌いパイロットが鉄壁妻に激甘に!?
「帰りのタクシーでも。ま、酔って寝てたから聞こえてないか」

(あれは夢じゃなかったんだ)


「き、聞こえてました……! でも夢だと思って」
「夢か」


 優成がくすっと笑う。


「それじゃ髪に……」
「キスなら、した」


 あれも夢ではなかったらしい。


「俺は、史花が好きだ。伝わらないのなら何度だって言う。史花――」
「私もです。私も優成さんが好きです」


 優成にだけ言わせるわけにはいかない。史花も想いをしっかり伝えなければ。


 口にしただけで、その想いがさらに強く大きくなっていく。ネットに書いてあったことは本当だ。言葉にして伝えるコミュニケーションの大切さを、身をもって知った気がした。
 優成が目を細める。今までにないほど優しく、そしてどことなく熱っぽさを感じさせる眼差しだった。
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