結婚不適合なふたりが夫婦になったら――女嫌いパイロットが鉄壁妻に激甘に!?
 喜乃は運ばれてきた水に口をつけ、肩を小さく上げ下げした。


「優成さん、疲れてないですか?」
「ああ、平気だ」


 優成は午前中に札幌から羽田に帰ってきたばかり。その足でここへ来ていた。
昨夜、電話で今日のレッスンの話をしたときに、カフェで落ち合おうと決まったのだ。


「史花はなにを飲む?」
「うーん、なにがいいかな……」


 史花は、優成が広げたメニューを喜乃のほうに向けて悩みはじめた。


「アイスのチェリーティーにしようかな」
「パンケーキもおいしそうだ」
「このレモンクリームのパンケーキ、おいしいですよ」


 ドリンクの隣のページにずらっと並んだパンケーキの中からひとつを指差す。


「でも俺ひとりじゃ多いな」
「シェアして食べますか?」
「いいね、そうしよう」
「喜乃さんはなににしますか?」
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