結婚不適合なふたりが夫婦になったら――女嫌いパイロットが鉄壁妻に激甘に!?
 注文を決め、優成と揃って顔を上げると、ニコニコ顔の喜乃と目が合った。


「夫婦らしくなったわね」


 そう言って、ふたりの顔を交互に見る。

 結婚したばかりの頃、ふたりのマンションを訪れた喜乃には、夫婦どころか友人にさえ見えない姿を晒してしまった。
ぎくしゃくして息は合わず、会話も続かない。たった三カ月しか経っていないのに、もうずいぶん前の出来事のよう。今のふたりが夫婦らしいかはべつとして、甘い関係になったのはたしかだ。

 史花は優成と顔を見合わせ、気恥ずかしさに頬を熱くした。


「無理やり結婚させたみたいでどうなることかとハラハラしたけど、もう大丈夫ね」
「おばあちゃんには心配かけたな。ごめん」
「喜乃さん、すみませんでした」


 優成に続いて謝罪すると、喜乃は顔の前で右手をひらりと振った。


「謝る必要なんてないわ」
「それじゃ、感謝だね。史花と出会わせてくれてありがとう」
「私からも言わせてください。優成さんを紹介してくださったこと、心から感謝しています」
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