結婚不適合なふたりが夫婦になったら――女嫌いパイロットが鉄壁妻に激甘に!?
 優成と揃って頭を下げる。喜乃に力強く押し切られなかったら、おそらく今のふたりはここにいない。優成は今も女嫌いを発動したままだっただろうし、史花は真面目一辺倒の仕事人間だっただろう。


「私は、大好きなふたりをくっつけたかっただけ。だから、私のほうこそ仲良くなってくれてありがとう」


 薄らと目を潤ませ、喜乃が笑う。


「さて、あなたたちに負けずにスイーツを食べなくちゃ。私はどれにしようかしら……」


 喜乃はメニューを両手で持ち、楽しそうに選びはじめる。
 その様子を見ながら、史花は優成と微笑み合った。
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