結婚不適合なふたりが夫婦になったら――女嫌いパイロットが鉄壁妻に激甘に!?
 史花はお弁当を手に、社員食堂へ向かった。

(未希ちゃん、どうしたんだろう。やっぱり様子が変)

 史花が休みに入る前から、未希はどことなく態度がおかしい。いつも明るい彼女に笑顔がないのだ。今朝は挨拶しても目を合わせてくれなかった。妙によそよそしい。
 誰にでも気分の浮き沈みはあるため、そっとしておいたほうがいいと思っていたが、さすがに放っておけない。

(仕事が終わったら聞いてみようかな)

 史花が的確なアドバイスをできるかどうかはべつとして、なにか悩みがあるのなら話を聞いてあげたい。

 なんとなく気になりながらお弁当を食べ終えてコントロールセンターに戻ると、お昼に行ったのか未希は席にいなかった。社員食堂に姿はなかったから、きっと空港内のレストランにでも行ったのだろう。

(ちゃんと食べてるといいんだけど)

 史花が席に着いてすぐ、デスクの前に人影が差した。
 顔を上げて、それがベテラン機長の沖山(おおきやま)だとわかる。五十代後半だが現役バリバリであり、何事に対しても厳しいことで有名だ。
 ピリッとした空気がコントロールセンター内に広がっていく。

すらっとした長身の彼から険しい表情で見下ろされ、史花は背筋をピンと伸ばした。
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