結婚不適合なふたりが夫婦になったら――女嫌いパイロットが鉄壁妻に激甘に!?
「午後三時二十分発、青森行き550便のフライトプランを作成したのはキミで間違いないか?」
「はい、そうです。なにか不備がありましたでしょうか……」
「なにか不備が? ずいぶんと悠長だね」


 声に怒気が混じり、史花を震え上がらせる。
 どこかでミスを犯しただろうか。瞬時にそのフライトプランを頭の中に思い浮かべるが、心当たりはない。

 一年後輩の運行支援者である湯浅(ゆあさ)陸人(りくと)が心配そうに史花を見るのが視界の隅に入ったが、目を向ける心の余裕はない。


「北関東から東北にかけ、対流雲域があるのもわからなかったのか」
「いえ、そのように解析したので迂回ルートを……」


 たしかにそのように設定したはずだと、送信した550便のフライトプランをモニターに表示させる。


「迂回ルート? そのようなプランにはなっていないが」
「えっ、そんなはずは……」


 ヒヤッとしつつモニターに目を走らせる。


「では、なぜ私がこうしてここへ来たんだろうね」
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