結婚不適合なふたりが夫婦になったら――女嫌いパイロットが鉄壁妻に激甘に!?
「はい、津城です」
『ホールドの指示が出たので上空で待機しています』
「こちらレーダーで確認済みです」


 現時点では燃料の残に問題はないが、長く続けばさすがにまずい。


「管制塔からなにか指示があったら共有をお願いします」
『了解』


 通信を切ると木原がキャスター付きの椅子を引き寄せ、史花の隣に座った。


「関空、いつになくひどい濃霧だね」
「はい。350便がホールド状態です」
「ダイバートも視野に入れておいたほうがいいんじゃないかな?」
「承知しました。すぐに――」


 木原のアドバイスに応えていたそのとき、350便から呼びかけられた。どことなく声に緊迫感が滲んでいる。
 最新の気象情報は先ほどと変わっていない。


「津城です。なにか動きがありましたか?」
『燃料供給システムに問題が発生している』


 思わぬトラブルの報告だった。
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