結婚不適合なふたりが夫婦になったら――女嫌いパイロットが鉄壁妻に激甘に!?
『津城さん!』


 環の声はうれしさを隠しもせず弾んでいた。


『津城さんから電話をもらえるなんて』


 優成がスピーカーに切り替えたため、その声が玄関に響き渡る。


「これから会えないか?」
『えっ?』
「時間があれば会いたい」
『もちろんです……!』


 環は完全に勘違いしている様子だ。


「今どこにいる?」
『自宅です。けど、どこへでも――』
「そこへ行く。住所を教えてくれ」


 人目のある場所を避けるのは、オーシャンエアラインの醜聞を晒すわけにはいかないからか。優成は環を遮り、場所を教えるよう迫った。
 環との通話を切り、優成の車に乗り込む。
 環は優成の訪問をどう解釈したか。ようやく自分に靡いたと手放しで喜んでいるだろうか。やっぱり史花よりも自分だと。まさか史花が一緒だとは思わず、フライトプランの改ざんを断罪されるとも知らずに――。
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