結婚不適合なふたりが夫婦になったら――女嫌いパイロットが鉄壁妻に激甘に!?
「それは史花のセリフだろう」
「本当にあんまりです。どうしてあんなひどいことを……」
史花は思わず優成の言葉に続けた。
どんな理由があろうと、決してやってはいけないことのはず。
肩を震わせていた環が、不意にぐっと顎を引き、史花を鋭い目で見る。
「あなたには一生わからないでしょうね。私はいつだってなんだって一番だったの。勉強だってスポーツだってそう。男の人にだって誰よりちやほやされてきた。それなのに津城さんは私に見向きもせず、あなたみたいな人と結婚だなんてあんまりじゃない……! そんなの許せなかったのよ!」
吐き捨てるように言った顔が歪む。史花への憎しみを隠そうともしない様子が、なぜかものすごく憐れに見えた。
自分のプライドを守ることだけしか見えず、善悪の見境もつかなくなる軽率さに言葉もない。たとえそれが、白石が言っていたように父親の愛情を一身に受けられなかったのが原因だとしても。
「だから乗員乗客の危険も顧みず、フライトプランを書き換えたのか。CAはほかの職員と同じく、空の安全を守る大事な役割を担っている。それもパイロットに近い場所で、それをつぶさに感じているはずだ。そんな人間が、フライトプランの改ざんを指示するなどもってのほか」
「本当にあんまりです。どうしてあんなひどいことを……」
史花は思わず優成の言葉に続けた。
どんな理由があろうと、決してやってはいけないことのはず。
肩を震わせていた環が、不意にぐっと顎を引き、史花を鋭い目で見る。
「あなたには一生わからないでしょうね。私はいつだってなんだって一番だったの。勉強だってスポーツだってそう。男の人にだって誰よりちやほやされてきた。それなのに津城さんは私に見向きもせず、あなたみたいな人と結婚だなんてあんまりじゃない……! そんなの許せなかったのよ!」
吐き捨てるように言った顔が歪む。史花への憎しみを隠そうともしない様子が、なぜかものすごく憐れに見えた。
自分のプライドを守ることだけしか見えず、善悪の見境もつかなくなる軽率さに言葉もない。たとえそれが、白石が言っていたように父親の愛情を一身に受けられなかったのが原因だとしても。
「だから乗員乗客の危険も顧みず、フライトプランを書き換えたのか。CAはほかの職員と同じく、空の安全を守る大事な役割を担っている。それもパイロットに近い場所で、それをつぶさに感じているはずだ。そんな人間が、フライトプランの改ざんを指示するなどもってのほか」