結婚不適合なふたりが夫婦になったら――女嫌いパイロットが鉄壁妻に激甘に!?
早速、これから今日の最終便までで担当する航空機や、その日の気象状況の確認に入る。

 フライトコントロールセンターは国際線と国内線とで業務が別れており、史花は国内線を受け持っている。フライトプランの作成には離陸する羽田空港周辺だけではなく、航空機の飛行ルートはもちろん、着陸する空港周辺も含めた全国の天気をチェックしなければならない。晴れや雨などの情報だけでなく、風向きや風速まで必要となる。

(移動性の高気圧に覆われてるから、次第に天気は崩れていきそうね)

 春や秋によく現れる移動性高気圧は、高気圧の中心の東半分は乾燥して晴天となるが、中心が通過すると上層や中層の雲が広がりはじめ、次第に天気は下り坂になる。

 気象情報をもとに一便ずつ丁寧にフライトプランを作成していく。そうして離陸した航空機のフライトウォッチと並行して仕事を進め、きりのいいところで夕食をとることにした。

 持参したお弁当を手にコントロールセンターを出て社員食堂に向かって歩いていると、進行方向からふたりのパイロットが歩いてくるのが見えた。
 引け目を感じるせいか、史花は煌びやかなパイロットやCAを直視できない。ふたりから目線を外して足を進めていくと、そのうちのひとりがふと足を止めるのが視界の隅に入った。


「横瀬さん」
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