結婚不適合なふたりが夫婦になったら――女嫌いパイロットが鉄壁妻に激甘に!?
「これからの予定はどう考えていますか?」


 結婚が決まったとなれば、住む場所や会社への報告など話し合いが必要だろう。スケジュールを立ててひとつずつクリアしていかなければならない。


「キミのご家族への挨拶をしたら、早々に婚姻届を提出しようと思ってる」
「そう、ですか」


 結婚は何カ月も準備をしてするものと思っていたため、スピード感に目を丸くする。今日明日中にでも結婚しそうな勢いだ。


「もちろんキミさえよければの話だが」


 史花が驚いたのが伝わったのか、優成が付け加える。
 この結婚は彼の祖母と史花の母を安心させるのが目的であり、優成に近づく女性たちを避けるためでもある。となると、じっくり準備するより素早く動いたほうがいいのだろう。


「わかりました。それで大丈夫です」
「婚姻届を提出したら、会社にも報告したい。それから生活の場だけど、キミは今ひとり暮らし? それともご家族と一緒?」
「父は幼い頃に亡くなって、今は母とふたりで住んでいます」
< 50 / 294 >

この作品をシェア

pagetop